3・11反核デモ:UB市長は届出を拒否、警察・公安はデモに圧力
Amarlin 2012年3月12日
3月11日、福島第一原発事故から1年、フェイスブックのAnti Nuclear Movement of Mongolia(ANM)グループの若者たちが核の脅威に反対してモンゴル国で初の覆面デモを行った。若者たちは当日、被災者に哀悼の意を表しながらチェルノブイリや福島で起きた原発事故について国民に広く関心をもってもらい、またこのような悲惨な事故がモンゴル国で繰り返されないよう警鐘を鳴らした。
放射能の恐ろしさを知った人類が、健康や自然に優しく安全な再生エネルギーを選択し、多くの国々が核エネルギーの拒絶を表明している。にもかかわらずウランを採掘して原発を建設する政策を推し進めるモンゴル国政府をデモ参加者は批判した。特にウランを採掘、原発を建設して「核燃料リース」という名目で外国の使用済核燃料をモンゴル国で受け入れ保管・処理する計画にデモ隊は一貫して反対した。外国に追従する政策がわが国を滅ぼす危険性についてANMグループが公表し、反核運動に全国民が団結するよう呼びかけた。
S.バトボルド首相は3月10~15日の日程で日本を公式訪問中で、原発を建設する協定の締結もその目的と言われており、デモ参加者の抗議行動もいっそう激しくならざるを得なかった。政府報道官がこの問題についてどんなに否定しても、2月17日、首相自らが「福島事故から教訓を得た日本と核エネルギー分野で協力する」と共同通信の記者に語ってている。首相のインタビュー内容は共同通信だけでなく、『毎日』や『ジャパン・タイムズ』などのメディアでも報道されている。
デモ参加者に今回「V for Vendettaマスク」を配布したのは、政府の圧力に対抗して自由のために闘う個人を象徴すると共に、このマスクが世界80か国以上に広がったオキュパイ運動において、またウィキリークスのメンバーがそれを被ってデモ行進したことがある。
デモに参加した100人余りの市民は、のぼりやプラカードをもってスフバートル広場を行進した。まずソウル通りに向かって行進する予定だったが、スフバートル区長B.バヤルマグナイが「日曜日の朝にデモがあると、交通渋滞が起こって国民が迷惑がかかる」という納得のいかない理由でデモの届出を受理しなかった。この区長はどうやら日曜日11時に国民が通勤すると信じているばかりでなく、道路は青信号で渡るものであるということも理解できないらしい。
またデモ行進中には「参加者の安全を守る」という名目でL.アマルムルン警備課長が指揮する同区警察と公安(私服)が動員された。警察・公安はデモを早く解散するよう、またデモ隊が自由に行進しないよう誘導するなど圧力をかけ、主催者を何度も威圧した。また「公安だ」と名乗る黒塗りの車に乗った男たち(私服)が近づき、主催者を交番に連行して圧力をかけたという情報も入ってきている。さらに公安らが「このようなデモは二度とするな、講演会でもしていろ」などと命令口調で「助言」したという。
このように祖国や社会の権利を守り、未来の子ども達のために、ごく普通の平和的デモの参加者に対して当局は様々な方法で妨害し、参加者を脅して表現の自由を侵害した。このことは、原発を建設して外国の核廃棄物を持ち込ませるために当局が尽力していることを改めて証明した。核エネルギー庁のS.エンフバト前長官も政府の名を語る人物がモンゴル国に核廃棄物を保管・処理するために秘密協定を結んだことを最近のインタビューで証言している。国民を脅し、また情報を隠蔽して国民を無知にしておけば、盗人が一番得をするのである。
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ANMグループは、在外モンゴル人を反核の立場で団結するため2011年6月に設立された愛国的なボランティア団体です。ANMはいかなる政党・運動とも無関係で、モンゴル国の権益や安全保障を尊重する高い見識をもった人々のグループです。
ANMメンバーは、モンゴル国と米国、ドイツ、英国、ブラジル、日本、韓国、オーストリア、スイス、オーストラリアなどの国々で学び、働いています。さらに、今回のデモの資金を政治家・政党・運動団体・企業からではなく、内外で暮らすメンバーや支援者の援助を受けて集め、ANMは会計報告をフェイスブック上にアップしています。
これまでANMは、原発や核の危険について国民に具体的で正しい情報を伝えるため特に注意を払ってきました。まず、広島の平和記念日に「10万羽の鶴」という写真展を開催しました。また、米国副大統領がモンゴル国を公式訪問した際、反対デモに参加し、放射能や核の危険性を暴露したドキュメント映画約10本を外国語から翻訳して公開しました。
さらにANM在外メンバーは、ロサンゼルスでモンゴル国における核廃棄物の保管・処理に反対して何度もデモ行進を行い、国民に対して情報を公開し、アンケートを集計、米国大統領と日本国政府に要望書を送付するなどの活動を行ってきした。またロンドン、ジュネーブのメンバーは、在外モンゴル人向けのインフォメーション・デスクを設けています。
ANMメンバーはhttp://golomt.orgサイトを通じてモンゴル国で核廃棄物の保管・処分するための秘密協定を明らかにしました。また、モンゴル国東部ドルノド草原を韓国人に売却した事実、さらに、食の安全に関する深刻な問題をその根拠と共にアップして注目を集めています。
今後、メンバーは、都市・地方の住民に対して放射能の危険性に関する情報を発信し続けると共に、専門的なレベルで放射線量を測定し、政府の事業に対する市民のチェック機能を強化することを支援していきます。
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元のモンゴル語記事にはデモの様子の写真が掲載されています。以下のリンクから見られます。