日韓モンゴルで「脱原発アジア」 クリスチャンの崔さん
原発の輸出や使用済み核燃料の移送など、国をまたぐ原発推進の動きに対抗しようと、神奈川県川崎市在住のクリスチャン崔勝久(チェスング)さん (65)はこの二週間余り、モンゴル、韓国を駆けた。現地の脱原発勢力と手を結び九日夜に帰国。十一日、三国で同時に記者会見を開き、共同宣言「脱原発アジア」を表明する。 (山本哲正)
共同宣言は、原発の稼働停止▽原発を新設しない▽ウラン採掘をやめる-ことをアジア各国政府に求める。「緑の地球で子を育て、働き、安全で平和に暮らしたい。私たちにはその権利がある」と訴え、他国の市民にも連携を呼び掛ける。
モンゴルでは、緑の党のL・セレンゲ元党首らが、使用済み核燃料を同国で引き取る日米との合意をにらんで、その埋設と原発建設への反対を、韓国では韓国キリスト教協議会などが「脱原発を目指す世界の知識人との連帯」を訴える。
崔さんは、震災後に発足した「原発体制を問うキリスト者ネットワーク」(会員約百二十人)を代表して、東京都新宿区の日本キリスト教会館で会見。日本キリスト教協議会の援助を受け、原発事故の影響についての国内資料を翻訳して他の二国に送る支援策を説明する。
崔さんは在日二世。国籍、民族の違いを超えて安全安心に暮らせる地域、社会づくりに取り組んできた。黄砂を例にとって「モンゴル、中国、韓国で事故が起きると大陸からの風で日本に影響すると考えられる」と指摘。「アジアの脱原発に向けてそれぞれの人がやれることをやる時だ。私はキリスト教をベースに連携していく」と語る。
2011年11月11日 11時24分
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